カニの殻で作ったお味噌汁は海水浴の思い出とともに
長野県は海なし県であり、特に北信地域に住む我々にとって新潟県上越市の海は「信州の海」として親しまれている。

つい数年前までは「海に行く」というだけでテンション爆上げだった長男はもう中3になり、彼が事も無げに海水と戯れているのを見ながら、いつの間にか大人になったもんだなぁと何だか感慨にふけってしまった。飽きたかい?とわたしが話しかけると「実はめっちゃ楽しんでるよ。ずっとこうしていられそう。」とのこと。だったらいいか。
見ての通り曇り空ではあったが、浮き輪からずり落ちて初めて海の水をガブりと飲んだ末っ子も、それを大笑いで拾い上げた妻も、砂浜に大きなトンネルを作った次男も、もちろんわたしも楽しい時間を過ごすことが出来た。そして帰りがけには地元の魚市場に寄って、カニを始めとした魚介を購入するのがもうずっと恒例になっている。
カニの味噌汁(殻出汁)の作り方
今年の戦利品はカニが四杯、ハマグリを10数個と巨大な赤エビが7匹。帰宅後なにはなくとも先ずこれらの食材を冷蔵庫に入れ、そのあと一気に水着や浮き輪やオモチャを片付ける。実はこれが一番大変だったりしてね。
さて件のカニだが、気軽に食べられるよう2杯分は身を外してしまうことにした。ふんどしを外して、お腹を真ん中から切って、めくるように甲羅から外していく。胴の中にあるカニみそは甲羅にまとめ、ガニを取り除き、足を外し、胴を縦に割る。ここまできたら妻と二人で胴の身をほじくり出し、お互いキッチンバサミを手にテキパキと脚の身を取り出し、後に残った2杯分の殻を眺めながらふと思った。これ…普通に捨てちゃったらなんかもったいなくね?って。
殻から出汁を取る
というわけで煮出してみます。汁にします。

よく見ると胴の殻に身が残っている。遊び疲れたあとの作業だけにやはり気が抜けてしまうのはしょうがないとして、このお汁が美味しくできれば、こんな風に取り損ねた身も無駄にならなかったということになるわけだ。

灰汁を掬いながら、たまに殻の上下をかき混ぜながら、その際は殻に残った身をお湯の中でゆすり落としながら。そういえば途中で思いついたように乾燥昆布を追加した。本来なら事前にちゃんと昆布出汁をとっておけばよかったんだけど気づかず始めちゃったもんはしょうがない。



身がこんなに残っていたとは…具として食べられるからいいとはいえなかなかへこむじゃないか。
ここで味見をしてみたところ、カニの風味は十二分に出ている反面、うま味成分に若干の物足りなさを感じた。なので仕上げとして味の素を一振りし、最後に信州みそを加えたら完成。


カニの殻の味噌汁 完成!

子どもたちは味噌汁自体をそれほど好んで食べないので、夫婦で一杯づつ。
「お寿司屋さんで出てくるカニの味噌汁」という表現が一番伝わるのではなかろうか。最後に一振りした味の素がカニの出汁をブーストして旨味は十分、まろやかなカニの風味が口いっぱいに広がる。そして取り残しのカニフレークは思った以上の食べ応えで、大満足の一椀が出来上がった。
誰かが食べた後の殻ではそれがたとえ家族だとしても抵抗があるが、今回のように事前に処理して残った殻ならば次回も必ず使ってやろうと思う。
後日談、その他。
この日の夕飯はカニ以外にも赤エビの刺身やハマグリを食べ、それで気持ちが満ち足りてしまったためか結構な量のカニが余った。なんだか贅沢だね。なので翌日のお昼ご飯では卵かけご飯に乗せてみたり。

「かに玉」という料理があるんだから合うだろうとの目論見は正解で、何とも豪華なTKGの出来上がりだ。しかし、夕飯の冷やし中華にはどういうわけか合わなかった。カニカマは合うのに本物のカニはダメって…摩訶不思議やでぇ。
それと話が飛び飛びになって申し訳ないが、海水浴からの帰りには魚市場だけでなく「武者気(むじゃき)」というラーメン屋さんにも立ち寄ったことをわたしの思い出として残させてもらおう。


どことなく定食屋のラーメンのような、いい意味での懐かしさがありつつ、それでも全体的な印象としては今風の美味しいラーメンといった感じ。麺はもちろんホロホロとしたチャーシューや大ぶりのメンマも旨かった。
以上、つれづれに。