マチダの生活

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ご批判は「蓼食う虫も好き好き」で

 5月の中旬からパトレイバーの新作映画が公開されるということでしばらく前からワクワクして待っていたのだが、期日が近づくにつれ最寄りの映画館では上映されないことがわかったばかりか、上映される映画館までは高速に乗って2時間ほど行かなければならず、おまけにその劇場での公開開始が一ヶ月遅れの6月中旬になるという始末。

 あれ?パトレイバーってもっとこう…人気作だとばかり思っていたのはわたしの勘違いだったか。押井守監督による劇場版1・2は知る人ぞしる名作ではなかったか。

 自分の好きなコンテンツに関することはどうしても贔屓目になってしまうものだから、まぁそういうことなのかもなぁと少し寂しい気持ちになりつつ、気が付けば公開日になっていたので友人らと一緒に観に行ってきた。

松本シネマライズにて機動警察パトレイバーEZYを鑑賞

 時代はさかのぼって劇場版パトレイバー2が公開された当時、やはり最寄りの映画館では上映されず、その頃はまだ可愛い少年だった全く同じメンバーで松本市の映画館まで電車で出かけたことを思い出す。それだけのことがまだ大冒険と感じられた時代の話だ。

 あれからウン十年、奇しくもあの時と同じ松本へ向かって。

 今こうして当然のようにわたしが運転する車に乗っている皆は、当然のように結婚している者、子どもがいる者いない者、当然のように仕事をして歳を取って、それぞれ40代になった今でも当然のように好きなコンテンツの話で盛り上がっている。時間が経つのも悪くない。

 高速道路から見える山々はその装いを春から夏に着替えていくタイミングで、若すぎず、また濃ゆすぎない緑が素晴らしく美しかった。画像を撮りたかったんだけどいかんせん運転手だからね。残念!

 暇つぶしとして流しておいたDVDを見る者など誰もおらず、終始話に花が咲きっぱなしのまま気が付いたら目的地に到着。初めて来る映画館で、「松本シネマライズ」という名前のシネコンらしい。

パトレイバーEZY 面白かったよ

松本シネマライズのロビー 波々の天井装飾がオシャレ
松本シネマライズのロビー 波々の天井装飾がオシャレ

 ここで初めて知ったのだが、上映時間はなんと75分!友人Yが鑑賞のおともに買い込んだ大きなポップコーンを呆然と眺めて「これ食べきれるかな」と思わず呟いたほどの短さだ。

 この時点で友人らと、恐らく普通の映画じゃないんだろうなと予想していたことが結果的には的中、当作品はテレビサイズのショートが数本詰まったオムニバスという形式であった。それぞれのエピソードに一貫性がないことから、本来はテレビを始めサブスクなどのメディアで連載放映することを想定して作られたものなのではないかと思われる。

 一切の事前情報を仕入れずに観に来た我々ではあったが、こうしたアウトラインぐらいは知っておいた方がよかったのかもしれない。今回は上映時間の短さを知ったことで気持ちの準備が出来たが、普通の映画を普通に見るマインドセットで見始めていたら盛大な肩透かしを喰らったことだろう。と、いう意味でネタバレを恐れず敢えてここに書かせていただいた次第。これから見るという方は一度公式サイトを覗いておくのもアリ。

参考サイト機動警察パトレイバーEZY 公式サイト

 感想としては、シンプルにとても面白かった。

 「一切の事前情報を仕入れず」というのは厳密には少し間違っていて、正確に言うと「一切の事前情報を仕入れなかったが感想は賛否両論(酷評多め)だということだけは知っていた」ことで戦々恐々としていた我々は、行きの車内で「見えている地雷をまっすぐ踏み抜く覚悟で観よう」と契りを交わしたものだったが、それは全くの杞憂であった。

 特車二課の新メンバーはどのキャラクターも活き活きとしてその体臭まで匂ってくるよう。各話に登場するモブキャラもしかりで、吉祥寺の商店街で待ち合わせをするカップル(完全なるモブ)ですら愛情をもって描かれていることが嬉しい。大筋のストーリーは肩の力が抜けつつも興味を引く工夫がされており、随所に挟まれるユーモアにはギリギリ声が漏れてしまうほど笑ってしまった。8月に公開予定の次作も必ず観に行こうと思っている。

とはいえ賛否両論

 後日ネットに目を通してみたところ、わたしが感じたことと真逆の感想を持った方々が多くいるらしいということがわかった。

 特車二課の新メンバーは旧作に比べて印象が薄くて誰が誰だかわからないし、メインキャラが立っていないのにも関わらずモブが妙に目立っているのも意味不明。ストーリーには悪ふざけが目立ち、一貫性の無いショートの羅列だとわかっていれば劇場でお金を払って見ることはなかっただろう。随所に挟まれるユーモアも今の社会性にそぐわず、新しくファンになった若者が笑えないばかりか昔からのフォロアーである僕も笑えなかった、みたいな。

 それでもわたしが「とても面白かった」と書くのは、こういう感想を持った人たちに対してのカウンターでは決してない。

 なぜならそういう感想を持つに至った気持ちの流れも寧ろわかるし、そういった方々がどういうコンテンツを好んで摂取しているのかも理解できる気がするからだ。ある人は好き、ある人は嫌い。道徳の授業で語られる言葉ではなく、本当にそれでいいと思っている。ただ率直に咎めておきたいのは、そういった人たちの多くが「自分の考えの方が成熟していて正しい」という視座に立っていることだ。

 物事を批評するとき、こと批判的な視点に立っている場合は特にこの病気にかかりやすい。気に入らない物事に対して批判的な態度を選択した時点で【よくわかっている自分(上)⇔何もわかっていない相手(下)】という図式を対立構造に組み込んでしまうのはあまりに稚拙だと思う。

 わたしはこう見えたがあなたがこう見えたのもわかる。またはわかろうと努力する。その上で目いっぱい殴り合おうぜ、というスタンスこそが面白い議論をするための大前提だと思うのだが、どうだろう。

締めはいつものお酒とカラオケ

 帰りの高速道路から見た夕焼けもびっくりするぐらいキレイで、一日が終わってゆくむず痒い切なさを感じたのはいつぶりだったろうか。繰り返しになるが画像でお見せできないのが悔やまれる。

 九州もも焼きが名物の飲み屋で夕ご飯がてら一杯飲み、いつもの通りカラオケで心行くまで歌った。

カラオケまねきねこ 部屋の中の様子
いつものコース

 歌ったメニューは以下の通り。

  • ヨルシカ「ただ君に晴れ」
  • ヨルシカ「あぶく」
  • 森川美穂「Yes,I Will」
  • 椎名林檎「余興」
  • ヨルシカ「ヘビ」

 Yes,I Willはふしぎの海のナディアのエンディングテーマで、同世代なら知っている方も多いのでは。そして余興のCメロはここ最近声の調子が良く油断していたわたしが腰を抜かすほど高かった。…次こそは!

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