MDFボードを使った自作防音室の作り方【簡単】
当記事は2016年6月10日にウェブサイト「ウサギ屋本店」にて公開された内容をベースに、現在の状況に合わせて筆者自身が加筆・修正のうえ再掲載したものです。商品価格等は全てその当時の数字なのでご注意ください。
わたくしマチダが自作した防音室の作り方をわかりやすくまとめてみた。
あくまでDIY初心者が趣味で作った防音室であるというところだけはお忘れなきよう。材料は全てホームセンターで購入可能で、遮音材にMDFボード、吸音材にマットレスのウレタンを使用するのがポイントだ。
前の記事自作防音室の制作費を算出してみた
MDFボードとマットレスの中身で防音室が自作できるという事実
手始めに防音効果がわかる音源を掲載しておこう。防音室の中と外、等距離になる場所にコンデンサーマイクを設置して歌い比べてみたものだ。始めに外で歌い → 防音室に入って(ズズズという音はドアの開閉音) → 中で歌う、という順序になっている。
しっかりと防音効果を発揮しており、隣の部屋からは全くと言っていいほど聞こえない。
2026年10月現在、いまだ問題なく使用中だ。
自作防音室の作り方 目次
防音の基礎知識
防音を実現するためには『遮音』と『吸音』という二つの考え方が必要となる。
遮音音を遮って跳ね返すということ。音のエネルギー自体はそれほど減衰しない。重ければ重い材質ほど遮音効果が高く、定番の遮音材としては木材や石膏ボードなどが使用される。
吸音音のエネルギーを吸い取って(熱に変えて)減衰させるということ。基本的に遮音効果はない。「連続気泡」と呼ばれる構造体であるグラスウール、ロックウール、ウレタン等が吸音材に適している。
互いに互いの機能を持っていないのがキモで、要するに組み合わせてやる必要があるわけだ。下に掲載した防音室内のイメージをご覧いただきたい。

内部で発生した音は遮音材で何度も跳ね返りつつ、その都度吸音材を通って減衰していく。これが防音室の基本的な仕組みなのだ。
参考ページ防音について調べてみた【遮音と吸音】
自作防音室の構造図と主要な材料

わたしの作った防音室にはこれといった骨組みというものが無く、外壁のMDFボードを組み合わせることで自立している。底面はジョイントマットだ。
ここからは主要な材料であるMDFボード(遮音材)と、マットレスのウレタン(吸音材)についてご紹介しておきたい。
MDFボード

Medium Density Fiberboardの略で、日本語では『中密度繊維板』という。木の繊維をボロボロに解繊したものを、改めて接着剤等で固めて作るファイバーボードの一種だ。密度が高いのでどっしりと重量もあり、遮音材として適していると判断した。
【厚さ】15mm×【幅】915mm×【高さ】1825mm(1枚20kg)のものを5枚用意し、自作防音室の外壁や扉に使用したぞ。
マットレスのウレタン

防音専用のウレタンも販売されているのだがとにかく高い!なのでマットレスの中身であるウレタンを抜き取って吸音材とし、防音室内部に隙間なく貼り付けてやった。もちろん防音専用の物よりは劣るはずだが、ちゃんと吸音効果があるのは冒頭の音源で聞いていただいた通りだ。
また、扉は地面に設置している。少しでも浮かせてしまうとその重量が蝶番の部分に集中してしまうからだ。なので開け閉めはジョイントマットの上を引き摺るような形になるが、それほどの不便は感じていない。
使用した全材料
防音室の作成に使用した全材料をリストアップした。全てホームセンターで買い揃えることができるぞ。参考までに購入当時の価格(税込)も掲載しておこう。
- MDFボード…1枚2,280円×5枚=11,400円
- マットレス(吸音材)1枚1980円×4枚 計7,920円
- ジョイントマット…家にあったものを使用
- セメダインSuperXG 大1580円+小498円 計2,078円
- ゴムロール 2個 計 806円
- 取っ手 1個368円×3個 計1,104円
- 蝶番 1個440円×2個 462円×2個 計1,804円
- インテリアスタンド×1個(室内照明) 997円
- ミニドリルドライバー×1個 1,780円
- コーナー金具 4個入り1セット235円×2セット 計470円
- 木工用ボンド×1個 248円
- ノコギリ×1個 997円
- 木ネジ×1袋 105円
- コーキングガン×1個 158円
- シリコンシーラント×1個 178円
計30,045円。ドライバーやドリルなど、最低限の工具をお持ちの方はもっと安く出来ると思う。
防音室を作成する
ここからは実際の作り方をご紹介していくぞ。
1.外壁の組み立て
まずはサイドの三面を組み立てる。そしてその三面を基礎として、他の物をつけ足していくというのが大まかな手順だ。
外壁三面の組み立て

壁面と扉についてはMDFボードを購入したままのサイズで使用するので、この時点ではなんの加工もしない。袋を破いて出しただけ。

壁にMDFボードを立てかけて、木工用ボンドを塗り、接着。
出来た後で防音室を動かすのは強度的にも重量的にも非常に困難なので、防音室を設置する場所にダイレクトで組み立てた。もちろんジョイントマットはあらかじめ敷いておこう。

ガムテープで仮留めするとひとまずは安定するので、このままコーナー金具で内側からMDFボードを固定する

コーナー金具は付属のネジで固定するが、先にそのネジより径の小さいドリルで穴を開けておき、それをガイドとしてネジを締め込んでいく。そのままではネジが入らないので注意。

補強部分と天板の作成

ノコギリを使用するのはこの工程が最初で最後だ。
補強部分6・7番用として、MDFボードを10cm高に切ったものを2つ用意して。幅はそのままで使用できる。4番の天板も同じくMDFボードで、片辺の長さだけ計算して切り出そう。素材そのままのサイズで外壁三面を作っているので、こうした材料の切り出しも最低限の作業で済むわけだ。


扉がインセットなのでピタピタに作ると閉まらなくなる恐れがある。なので上下の補強部分の端には1mmのゴムシートを挟んでクリアランスを確保しつつ、木工用ボンドで接着後、木ネジでがっちりと固定。
天板と外壁との間も同じ理由でゴムシートを噛ませてから木工用ボンドで接着した。ちなみに天板の固定に使ったのはボンドだけで、ネジは一切使っていない。
最後にドアを蝶番で固定し、取っ手を付けたら外壁は完成。

取っ手や蝶番の取り付け方についてはそれぞれ購入した商品の指示するところに従ってもらいたい。が、そんなに難しくはないはず。わたしの場合は基本ネジ留めしただけだ。
参考ページMDFボードで防音室の外枠を作った
2.外壁の加工
出来上がった外壁を防音室用に加工していく工程だ。防音には機密性が重要なので、とにもかくにも隙間を埋めていこう。
隙間埋め作業いくつか

MDFボードの合わせ目はシリコンシーラントでコーキングしていく。…っていうか下手くそで申し訳ない。本当はしっかりとマスキングを施し、ハケ等を使ってきれいに慣らすべきだそうだがわたしは一切やらなかった。いい子はマネしないでね。
戸当り(ドアが閉まったときに接触する箇所)には厚めのゴムロールを貼りつけて。


上下の補強部分と位置を合わせて、扉を閉じた時に気持ちよくハマり込むよう調節したぞ。
配線口の穴あけ
マイク等のプラグ類を通す穴も開けなくてはならない。


以下の参考ページにも書いたが、カッターを使ったのが失敗だったのかもしれない。全然切れなくて非常ぅぅぅに苦労した!ドリル穴をもっと大きくするか、何か穴を開けるための専用器具を用意しておいたほうがいいだろう。
これにて外壁の加工は全て終了。
参考ページMDFボードの自作防音室完成【前編】
3.自作防音室の内側にウレタンを貼る
ここまで出来たら後は吸音材であるウレタンを防音室内部に貼るだけだ。

配線口にはウレタン側にも穴をあけておくのを忘れずに。
でね、この時まで知らなかったんだけど、ウレタンって瞬間接着剤や木工用ボンドじゃくっつかないものなんだ。全っっっ然歯が立たない。そこで大活躍するのが『セメダインSuperXG』なのです!ウレタンも接着できるし、その他の場面でも何かと役に立ってくれて、今回こいつには本当に助けられた。
わたしはある程度セメダインが乾くまでウレタンを手で押さえていたのだが(そうしないと落ちてきてしまう)、同じ物を自作した友人によると突っ張り棒で固定するといいらしいぞ。アイデアだねぇ。
参考ページMDFボードの自作防音室完成【後編】
これでMDFボードを使った自作防音室は完成だ。おめでとう!おめでとさん♪全てのチルドレンに、おめでとう。

マチダの場合は単独で、1日約4時間ほどの作業を2日間こなして完成した。ご家族や友人と一緒に作るならもっと早くて簡単に作れるだろう。
繰り返しになるが、これはあくまでDIY初心者が趣味で作った防音室であり、その強度や性能を保証するものではないということだけはお忘れなきよう。同じものを作ってみたいという方はあくまで自己責任でお願いしますね。