マチダの生活

102026 13

パトレイバーはなんでもなければないほど面白い【機動警察パトレイバー EZY File 2】

 映画「機動警察パトレイバー EZY File 2」の感想を書いてみたいのだが、まず、まず始めに、どうしても言っておきたいことがある。

File1の記事ご批判は「蓼食う虫も好き好き」で

 少なくとも前回は、松本シネマライツさんよ、あんた上映してくれたじゃないか…!それがなんでなのさ。公開開始は一ヶ月も遅れたけど、それでも車で2時間かけて向かったよ。それがどうして…今回どうして上映される映画館が長野県に一つもないのさ!長野市じゃないよ?長野県よ!?…まぁ、リアルな話きっと松本シネマライツさん採算がとれなかったんだろうな…くぅっ!!

参考ページTHEATER | 機動警察パトレイバーEZY 公式サイト

 いま気づいたがページトップの表記「File 2 上映中/File 3 2027年3月5日(金)上映開始」を見るとまさかこれ、File 3の予定も兼ねてしまっているのか…?頼む!今からでも遅くはないぞ!長野県の映画館よ、いやできればピンポイントにグランドシネマズよ…間違えたグランドシネマズ様よ!長野に住むパトレイバーファンのために何とか一肌脱いでくれぇぇぇぇ!!

 はい。ボヤキはこの辺で。仕方がないから弟が円盤を手配してくれましたよ。これで鑑賞しましたよえぇ。

Patlabor ezy file2 DVD
映画館で観たかった

映画だからと肩肘張らず気楽に楽しんだらいいじゃん

 前提として、今回もテレビサイズの3話構成である。

参考サイト機動警察パトレイバーEZY 公式サイト

 この「テレビサイズの」というところがやっぱりキモで、実際にこれらをテレビ(もしくはそれに準ずる媒体)で連続放送する予定でいたのか、真実はわからないが、とにかくあの頃テレビやOVAで見ていたあの感じが物語の根底に流れているのだ。

 なのでそのことが人によっては、映画を見にきたのにこれではまるでテレビじゃないか、わざわざ映画館に足を運ぶ必要なし!というような感想につながってしまった方もおられるだろう。しかし正直わたしとしては羨ましい限りで、出来ることなら映画館で観たかった。つまりわたしは前回に引き続き、この肩の力の抜けたテレビサイズの物語がとても好きだったのである。

まるで往年のOVAのよう!パトレイバーらしい肩の力の抜けた物語たち

 これからご覧になる方のためにストーリーそのものには極力触れないでおこう。その中で概要を端的に説明するとしたら、原作マンガっていつでもメインストーリーが展開していたわけじゃなくて、何でもないよもやま話が頻繁に挟まれていたよね。そしてそのどれもに深い味わいがあって、だからこそのパトレイバーだと思えた。少年漫画の週間連載でこんななんでもない回があるなんて、同じくなんでもない少年だったわたしは、その大人な雰囲気にそこはかとない魅力を感じたものだ。で「そんななんでもない話を三つばかり集めてみました」というのが今作の印象なのである。

 以下、公式サイトから各話のあらすじを引用させていただこう。その程度なら大したネタバレにはなるまい。

■EPISODE 04 ワインと銃弾
本庁の内部監査に向け整備班のくるみはリボルバーカノンの実弾が一発紛失していることに気づく。くるみは桔平に相談し連鎖的に他の隊員たちも巻き込まれていく。その事実を知らない十和と紗希は桔平たちの態度に疑いの目を向けるのだが…

EPISODE 05 あさき夢みし
十和と桔平は再開発工事の現場で事故に遭った少女を助け病院に移送する。スマホを通じて少女と親しくなる桔平。後日、十和と桔平が病院へ行くとそこに少女の姿はなく入院履歴も残っていなかった。夢か現実か。二人は少女が残した存在の足跡を辿ってゆく。

EPISODE 06 恋のサバイバル
雨の奥多摩山中。事故で遭難したレイバー作業員を救助に向かった十和と桔平は突然の土砂崩れで二次遭難してしまう。孤立し佐伯たちとも連絡が取れない中、あくまで要救助者保護のため徒歩で前進する二人。だがその前に姿を現したのは…

 ちなみにわたしはこの程度の情報すら頭に入れていなかったので、エピソード5が始まった時はそのあまりの自由さに思わずうなってしまった。そして一緒に見ていた弟や友人たちも同様に唸りを上げた。「十和と桔平が病院へ行くとそこに少女の姿はなく入院履歴も残っていなかった」って…今タイプしながら笑ってしまっているのだが、これ政府が何かを隠ぺいした、とかじゃないんよ。普通にオカルト話なんよ!この気楽さがなんと心地いいことか。アーリーデイズの3・4話とか、大人の悪ふざけ感にニヤッとしてしまう感じ。あと別の話だけどイノシシめっちゃでけぇし。完全に乙事主の末裔だし。

 現在40代半ばのわたしが青春時代だった頃はね、こういう気楽さって普通にあったんだ。テレビアニメもそうだけど、特にOVAがそうだったなぁ。

 ジャケットがめっちゃカッコいいから内容も知らずにレンタルして、見終わった後…んんん??なんだったのこれ?って。いったい誰が何のために、誰に向けて作ったのか全てが謎に包まれた、黎明期特有の自由度で作られているやつ。わたしと同世代のアニメファンなら強くうなずいておられる方もいらっしゃるのではなかろうか。だからといって、つまんね~時間とお金返せよ!っていう気持ちにはならなくて。世の中にはこんなアニメもあるんだなって、「世界は広いな」的なニュアンスで底の深さを思い知る感じ。そういう経験を経てアニメそのものがもっともっと好きになっていったのだ。

 ご存じの通りもはや日本のアニメーションは一つの文化として立派に醸成し、その過程でそうしたニッチなものがどんどん淘汰されていった結果、昨今では「少なくともこのぐらいは稼げるだろう」という商業的計算が前提にある造りのものがほとんどになってしまった。その時代を生きてきた自分としては少し寂しいけれど、型が出来てしまったということそれ自体が悪いことだとは思っていない。アニメに限らず他の文化でも大概そうだし、だとすればニッチなものが本当に消えることはないからだ。メインストリームが安定化すればするほど、カウンターとなるコンテンツの魅力もまた、高まっていく。

 とにかく!今作はそうした「当時の気楽さ」がふんだんに感じられる作品である!パトレイバーが元々そういう作品だろうと言えばそりゃそうなのだが、それを敢えて変に現代ナイズすることはせず、パトレイバーらしい雰囲気や展開はそのままに、しかしちゃんとアップデートすべきところはしているという造りは素直に嬉しかったし、まさにこれこそが正しい意味での「新作」なのではなかろうか。これがもし、わたしの大好きな押井さんが関わっていたなら、きっと全く新しくて全く違う何かを作り上げたのだろう。しかし、当シリーズに今のところ通底しているような「変わらない良さ」をウリとした作品も、やはりあっていいのだと思う。

 冒頭にぐちゃぐちゃと書いたけど、結局家で友人とガヤガヤ観賞したのもよかったのかもしれないね。映画館じゃそうはいかないもの。みんなでアレコレ言い合いながら、笑えるシーンでは気兼ねなく大声で笑えて、とても楽しい時間を過ごすことができた。

 そういうことだから、確かにそれぞれ地味な話ではあるんだな。イングラムもほとんど活躍しないけど、パトレイバーなんだからそれはそれでいいじゃないか。みなさんも映画だからと肩肘張らず、テレビを見るぐらいのテンションで気楽に見ていただいたらいい。さらにそれが劇場の大画面&良音響ならばなお最高だ。(いいなぁ…

 やっぱりFile 3は映画館で観たいぞ!

余談

 映画を見終わったあと、夕飯は仲間たちと一緒に焼肉屋で食べた。この時点ではね、普通に飲み食いしてまだ全然いつも通りだったんよ。だからいつも通りにカラオケに行ってさ。

ビール 金麦
飲みま~す!
この日に歌った歌
  • 晴る / ヨルシカ
  • 革命道中 / アイナ・ジ・エンド
  • slash / yama
  • 異端なスター / Official髭男dism
  • Blue / 山根麻衣
  • ここから先は忘れた

 カラオケでも普通に飲んだんだ。でもパトレイバーが面白かったからいつもよりテンションが上がっちゃってたんだろう、若干飲み過ぎてしまっていたようで。そして最後のダメ押し、あまり時間を見ずに500mlビール缶を開けた直後にカラオケ終了10分前のコールがあって、これ開けたまま持って帰るのも捨てるのも嫌だなぁ~って急いで飲んじゃった。これがいけなかった。

 その日カラオケを出た時のわたしの様子を、友人Yは翌日、Lineにてこう表現したものだ。

 「マチダ君、菩薩のような顔してるって思ってたけどやっぱ酔ってたのね」

 そう…Yよ。そのアルカイックスマイルは悟りを開いたからでは決してない、シンプルに泥酔していたのである。悟りとはまさに対極、煩悩と酒にまみれて今にも崩れ落ちそうな男がギリギリで微笑んでいた…それがその悲しき笑顔の正体だったのだ。なんとか家に帰りシャワーだけはどうにか済ませたものの、寝室にたどり着くことはついぞかなわず、その手前の廊下で力尽きるように眠りについた。いや、涅槃仏になった。家族よ迷惑をかけてすみませんでした。

 翌日は連休の中日。それなりの二日酔いで、髪の毛をろくに乾かしもしないで寝たために頭はボッサボサだ。でも家族と出かける予定をキャンセルするわけにはいかないじゃない、だからそのまま行きましたよ。ちゃんと恥ずかしかったよ。いい歳して何やってんだか。

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